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1950年、名古屋市生まれ。小学生の頃8ミリカメラに触れ、以来映像制作に魅了される。高校、大学を通じて映画研究会に属し作品を制作。卒業後は、現在の名古屋シネマテークと協力して名古屋を基盤とする独立プロダクションを設立、劇映画を制作。中部地区のプロダクションとしては初めて東映系列館で1週間の単館ロードショーを行う。97年後進の育成のため映像塾を設立。名古屋YMCAにて映像制作総合講座をおこなっている。

たとえば静止画像と動画

映像塾代表の後藤さんは現在、塾生の技術の習得と実践のため、大正・昭和初期のモノクロ写真のカラー復元や、江戸時代に描かれた『尾張名所図会』への着色といったコンピュータ処理を授業に取り入れている。映像製作の主流は、デジタル編集なのだ。

「実に緻密な作業です。細かく、膨大な数のパーツへの色づけには根気はもちろん、創造力とリサーチ力が求められます。また、画像処理に必要なPhotoshopやIllustratorなどのソフトの使い方に関しては、作業を通しながら、ここの塾生たちは驚くほどの速さでマスターしていきます。その作業で私が最も塾生に強調する点は、ソフトを単に使えるだけの技術ではなく、いかにデータ量を抑えながら、効率よく画像を処理できるかのノウハウです。」

しかし、この静止画像の処理が、どのようにして映像、すなわち動画づくりに関係してくるのだろうか。

「動画づくりにはPremiereというソフトを使います。そのPremiereに、Illustrator等の静止画像を取り込み、そのコマを高速で連続して画面上に映し出す。ちょうど8ミリフィルムに映し出された1コマ1コマの静止画が、投影機にかけられたら連続した動画となるのと原理は全く同じです。」

技術と経験が人を育てる原動力

8ミリカメラに幼少期より慣れ親しみ、後に映画制作に携わってきた後藤さんは、機材が次々と改良され、はたまた電子機器がデジタル化され、様々なデジタル編集ソフトが開発されている現在でも、正確に機材の取り扱い方を習得し、自身の経験と共に映像塾での指導に活かしている。

東京と名古屋を往復する映画制作の中で、カメラ操作はもちろん、プロデュース全般を手がけてきた後藤さんは7年前に名古屋に映像塾を設立した。

「機材は豊富に揃っているのに、それらを使いこなせる人材が名古屋には全くいなかったんですよ。もったいない話です。」

現在では名古屋YMCAスポーツ・語学専門学校との提携で人材育成に努めている。これまでに約50名が映像塾から羽ばたいた。テレビ制作や映画制作等のプロの世界で活躍する者も多いという。

日本の原風景を取り戻す、そんな映像を残したい

「私の夢は、塾生がゆくゆくは『インストラクター育成を手がけられる』だけの技量を身につけるようになっていくことです。そして、名古屋発の映像制作の指導的立場に立つ人材を養成したい。また、映像を通して日本の原風景を取り戻す、そんな映像を残したいと思っています。国際交流が益々盛んになっている現在、日本人にとっては自分自身、自分の周囲やルーツが海外に向けての最大の売り物ですから。」

映像制作という分野に飛び込む若者たちを相手に、最新技術と最新機器のノウハウを伝授する一方、後世に残すべき大切な日本文化を映像化する試みが、ここ、映像塾ではすでに始まっている。

代表的な講座タイトルと対象年代

映像塾「公開講座」 〜高校生
とくに映像製作に強い関心を寄せる高校生グループを対象に、随時予約制で公開講座を行います。場所は設備の都合上、名古屋YMCAスポーツ・語学専門学校内の映像塾のみ。

関連サイト

後藤さんが主宰する『映像塾』
http://www12.ocn.ne.jp/ ̄eizou/

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